日本発スイス経由英国。日記、雑記、こころの整理整頓記。
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Rさんのこと
仕事でサポートにあたっているクライアントさんのことを書くのは
プライバシーのこともあるのでどうもいままで引いていたのですが・・

Rさんは肢体には不自由はないが精神面で他人との意思疎通は
殆ど出来ない障害を持っている。言葉は話さない。
こちらの言っていることもどのくらい理解できているのか定かでない。
例えば、飲み終わった紅茶のカップをシンクに持っていってください、とか
多少のpromptsには理解を示してその通りにしてくれる。
簡単な作業、例えば、脱いだものをユーティリティー・ルームまで持っていって
洗濯機に入れるとか、スタッフが一緒についてサポートしながらやれば、出来る。
出来ることは自分でやる、というのが基本だから、何回言っても無視されたり
失敗したりするけれど、出来るまで根気よくサポートし続ける。
出来たらやっぱりほめてあげるんだけど、何回も繰り返してやっとできた後は
さすがにこちらもため息まじり(笑)
出来ないことでなく、出来ることを見て、それを維持し、さらに伸ばしていくこと。
簡単なようで難しい。彼女の場合特に何をしても反応があまりないのでそれで
良かったのか、あんまりだったのか、確かめることも出来ないから。
ただ、笑うことはするのでお風呂の世話をしているときに
いつも背中を洗ってあげるとにっこり笑顔で笑う。
気持ちいいんだな、とわかってなんとなくこちらも嬉しくなるひと時。

朝起きてから夜寝るまで外出しなければ一日中彼女の思いのままに
自室、ラウンジ、キッチンの間を行ったり来たり。
自分の部屋でひとり静かに何十分も座っている以外は
ひとところにじっとしていることはあまりなく家の中を漂っているようにも見える。
彼女を見ていると水槽か水族館の中の魚みたいだなとも思う。
普段は家という水槽に閉じ込められているような彼女でも
外に出れば歩くの大好きだし、バスにのって出かけるのも好きだ。
それでも、どこに行きたいとか意思表示が出来るわけではないので
スタッフが適当に近くの街でウインドーショッピングに連れて行ったりとか
公園に散歩に行ったりとか、いつも同じような場所、スタッフの都合の良い場所に
連れ出されている現状でもある。

彼女から周りの人に働きかけたりコミュニケーションを取ろうとしてきたり
ということは無いに等しい。
唯一することは隣に座っている人の手を取って彼女の頭のうしろに持っていく動作。
いつまでも延々とこの動作を繰り返す。私の頭を撫でて!って言っているみたい。
スタッフとか知っている人ならいいのだが例えばバス停や薬局などで座って
待っているときとか全くの他人にもそうしてしまうことがある。
大抵皆さん理解を示してくれるからいいけれど、いきなり手を取られたら
びっくりすると思うので外出しているときは神経を使う。

先日お誕生日を迎えたRさん。彼女は私と同い年。
ご両親は彼女のことがもとで離婚したと聞いている。
誕生日当日にはお母さんが、そしてその数日後にはお父さんが
面会に来た。面会って言うと何だか施設じみているので訪問?のほうが
いいかな。
Rさんに家族が訪ねてくるのは年に2回。誕生日とクリスマス。
家族としてはせっかく訪ねてもRさんの喜ぶ顔が見られる訳でもないし
複雑な心持だろう。
ご両親はそれでもやっぱり娘の顔をみたいって思うから来るんだろう。
なんだか切ない。

ラウンジに座って誕生日プレゼントの包みとともにRさんを待つお父さん。
外から帰ってきたRさんにとっても明るく、「Hello, Miss!」って声をかけたのに
Rさんは果たして全く何の反応もなく知らん振りで二階の自室に行ってしまった。
そんな彼女を呼び戻そうと彼女の名前を呼ぶスタッフに
いいんですよ、いいんですよ・・ってニコニコ顔のお父さん。
足が不自由なため、二階に上っていくことも出来ないでひたすらラウンジに座って
もうひとりのユーザーさんに話しかけていた。
前回の訪問で足の痛みを我慢して二階のRさんの部屋まで会いに行ったけれど
彼女はすっとまた下まで降りてしまったのだそうだ。
お父さんにお茶を出してから二階にRさんを呼びに行ったけれど下に降りてきても
ちょうどお昼の時間だったからキッチンに座って食事を待ち出すし・・。

ちょうど来ていた大マネがあまりにお父さんが哀れだったのでRさんに
せっかくお父さん来てるんだから、会いに行ってあげてよ!って急かしたら
立ち上がって多分偶然なのだろうがラウンジにふらっと入って行った。
お父さんが意気揚々とお誕生日のお祝いを言ってプレゼントをあげていた・・。

お父さんの明るい声を聞きながら、心が痛んだ。
Rさんの反応がなくてお父さんかわいそう・・
お父さんと普通に会うことも出来ないRさんも不憫・・そう思うのは簡単。
でも、そのために私はここで仕事しているんじゃないって自分に喝をいれた。
Rさんだってそうしたくて、そう振舞っている訳ではないのだから。
数分間でもお父さんとRさんと交流が持てたことに意義がある。
お父さんからのプレゼントはかわいい模様のついたピンクのパジャマ。
クマの模様が無邪気すぎて見ていて目頭が熱くなった。
あと少しで40歳になる大人の娘だけど、お父さんの中ではいつまでたっても
リトル・プリンセス、なのかな。
コメント
この記事へのコメント
ということは、私とも同い年なんだね。。。
なんか辛い話だね。
そう、父にとっては、何歳になっても娘なんだよねぇ。
なんか、私のお父さんの事、思い出してしまった。。。
なんて、コメントしていいのかわからない・・・。
ただ、stipaにお世話してもらって、Rさんのお父さんもきっと安心してらっしゃるだろうね。
って、お世話してるのは、stipaだけじゃないけどね。。。
2006/10/27(金) 20:59:42 | URL | sakura [ 編集]
sakuraちゃん
同い年ってことで彼女に対する接し方も
なるべく年齢相応になるように心がけているけど
他のスタッフの中にはまるで小さな女の子を扱うみたいにしたりして複雑なのよね~。
お父さん、Rさんに会えて良かったなって思ったかなぁ・・
近くに住んでいるのにめったに会いにこないのはやっぱり
いろいろ葛藤があるからなんだと思う・・
2006/10/28(土) 00:16:10 | URL | stipa [ 編集]
うーん
読んでていろいろ考えさせられました。
最後のプレゼントのくだりは私も泣けてきてしまいました。
気の毒とか可哀相とかそういう簡単な事じゃなくて言葉では表せないけど
難しい家族関係、難しい仕事とかいろいろ・・・。
なんかコメントになってないねえ。
2006/10/30(月) 06:25:40 | URL | kleeblaetter [ 編集]
klee♪
なんかね、ご両親は今でも娘に障害があるようになったのは
自分たちのせいって責めている部分もあるみたいだよ。
3歳のときに風疹(多分)にかかってその後遺症で障害が残ったそうです。
コメント、しづらいよね~ありがとう♪
2006/10/31(火) 03:39:40 | URL | stipa [ 編集]
stipa、おひさ♪
なかなかpc立ち上げられないのでー、ケータイからちょくちょくチェックしてる。
お局対決!やったね~。早くいなくなってくれる事を心待ちにしてる。
アタイもとび蹴りで参加しまーすっ!
そしてtacoloveもジャンプアタックで♪

Rさんのコト、読んでて涙が出てきたよー。
お父様、理解あるね。
多分日本人男性だったら気になってもプライドが許さず、理解しようとか、逢いに行こうなんて思わない人が大半だと思う。
今コッチではスマップ(判る?笑)の草薙君が自閉症の主人公を演じるドラマやってる。『僕の歩く道』http://www.ktv.co.jp/bokumichi/
Rさんは後天的なもので自閉症とはちがうみたいだけど、なんだか重なった。
世の中には色々な人がいて、ある意味すごく純粋で。。
変わった(不適切な使い方?ごめん。悪意はないよ。)人をみると、やっぱり構えてしまったり偏見でみてしまったり。
もっとそういった人たちの事をみんなが理解してくれたらいいのに。
このドラマはそんないい足がかりになってると思う。
そんな人達が社会生活を送れるようにサポートする仕事は大変だろうけど、すごく素晴らしい仕事だよね。
なんだかまとまらないコメントになってしまったけど、頑張ってるstipa、すごく尊敬するよ。
例えちょっとでも、偶然でも、Rさんが他の人と交流が持てる時が増えるといいね。

2006/11/01(水) 11:35:25 | URL | miki [ 編集]
mikiちゃん
はろ~mikiちゃん♪
お局、そうなのよ~。誰かに豪語?しているの聞こえてきちゃったんだけど
来年来る前に辞めてやるわ!とかほざいてたよ・・なら尚良い(^。^)
お、mikiちゃんも、tacoloveちゃんもか、並んで並んで~♪

Rさんのお父さん、子供は他にもいるから(Rさんの兄弟ってことね)
普通の親子関係ももててる訳でその辺も原因なのかな。
会いに行っても一緒に座ろうともしないのわかってて
それでも行く、すごいことだと思う。

ドラマの話だけどさ、スマップって名前は聞いたことある程度(笑)
自閉症もケースバイケースだけど全般的にもっと
理解が深まるきっかけになるといいね。

いかに普通の生活をするかサポート・・。でも普通って何?
ってよく思うのよね。サポートする側の価値観押し付けてることが
ありがちなのではないのかな。Rさんがもし選べたら
彼女はどんな選択をするのか、どんな価値観なのか・・。
家族ともっと頻繁に連絡取れてればその辺も
わかりやすくなるというか少しは想像し易くなると思うけど
一年に1,2回だしね~。難しいよなぁ・・。
きゃ~mikiちゃんに褒められちった(〃∇〃) てれっ☆

2006/11/01(水) 23:13:52 | URL | stipa [ 編集]
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